Pinned Tweet
低分子、中分子、抗体、核酸医薬と細胞治療の最新情報や新薬について呟きます😙
患者さんに新薬や治験の最新情報と自身の病気のことも知ってもらいたいという想いがあるので、患者さんは自分の病気や薬に関するキーワードで過去のポストを検索してみてください😉
アステラスが導入したがん免疫療法薬「DAX-044」ですが、
『免疫標的型IL-12抗体-サイトカイン融合タンパク質』
って聞くと、抗IL-12抗体にサイトカインを融合させたのかな?って思っちゃうのは自分だけですかね😅
特許を見ると、DAX-044は下図のような「抗OX40 Fabと活性を弱めた改変IL-12とのFc融合タンパク質」みたいですね👀
使っている抗OX40抗体には阻害活性はなく、1価にすることでアゴニストにもならない設計です。つまり、OX40発現細胞へのアンカーの役割というわけ⚓️
さらにFc領域には3つの変異が搭載されていますね
✅Knobs-into-Holes変異
✅FES変異→Fcエフェクター機能の低減
✅C220S→追加のヒンジ変異
ちなみにDAX-044が想定している作用機序はこんな感じ👇
1️⃣OX40を発現する活性化T細胞やTregに低活性型IL-12が選択的に作用
2️⃣IL-12受容体を介してSTAT4シグナルを増強
3️⃣IFN-γ産生と抗腫瘍免疫応答が促進
このようなメカニズムにより、従来のIL-12製剤で問題になっていた末梢血中のT細胞やNK細胞を強く刺激することによる全身性IFN-γ産生や炎症性毒性を回避というわけです👏
こちら関連特許です💁♂️
下図のようにいろんなフォーマットを試行錯誤してますね〜👀
patentscope2.wipo.int/search…
このニュースに出てくる次世代KRAS G12C阻害薬『Divarasib』ってのもESMO2026で発表があったやつだな👀
発表の内容は、KRAS G12C変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して既存のKRAS G12C阻害剤よりもDivarasibが『がんの進行を遅らせただけでなく、全生存期間も有意に延長した』ということですね🎊
そもそもDivarasibはジェネンテックが創製した化合物で、下記のような既存のKRAS G12C阻害剤の課題を解決すべく作られました💊
❶治療効果が十分でない患者がいる
❷治療中に耐性が生じる患者がいる
KRAS G12CのOFF状態に結合する点は既存薬と同じですが、とにかくKRASとの結合の強さを徹底的に高めるという戦略を採用しています!🎯
具体的には…
🔹KRASの結合ポケットの奥まで薬剤がぴったり収まるように化学構造を改良
🔹KRASとの結合を安定させ、低い薬剤濃度でも効率よく共有結合を形成
で、下の表のとおりSotorasibやAdagrasibといった既存のKRAS G12C阻害剤よりもDivarasibのほうがKRAS阻害効率やがん細胞の増殖抑制効果が向上しているのが分かると思います👏
実際の臨床試験でもちゃんと優位性を実証できて、ほんとスゴイです🥺
余談ですが、論文のイントロに忠実に課題❶、❷を書きましたが、Divarasibで解決できるのは主に❶ですかね…🙄
Divarasibの創製に関する前臨床試験の論文💊
pubs.acs.org/jmcmar/article/…
Divarasibの臨床試験結果👇
nejm.org/doi/full/10.1056/NE…
これもESMO2026で発表があったやつですね👀
HER2陽性の進行・転移性乳癌に対する一次治療として、
従来の抗HER2抗体(トラスツズマブ、ペルツズマブ)+ドセタキセルの3剤併用(THP)
🆚
HER2の異なるエピトープを認識するバイパラ抗体(アンベニタマブ、KN026)+アルブミン結合型ドセタキセルナノ粒子(HB1801)
を直接比較したフェーズ3試験です🥊
結論は明確で、アンベニタマブ+HB1801併用は無増悪生存期間を大幅に改善させましたが、グレード3以上の有害事象が増えちゃってますね😅
まぁ、そこはトレードオフですしね…
ちなみにアンベニタマブは全く新しいバイパラ抗体というわけではなく、簡単に言えばトラスツズマブとペルツズマブの抗体配列を融合したものです
だからといって、2つの抗HER2抗体の併用より、それらを1つに融合したバイパラ抗体のほうが優れていたとまでは言えないですね〜🤔
ドセタキセルもアルブミン結合型ナノ粒子に変えているので、治療効果に対するそれぞれの寄与度までは分からないかな
Original Article: Anbenitamab plus HB1801 for HER2-Positive Advanced Breast Cancer (phase 3 HEALER trial) nej.md/4BcWlF3
Editorial: Targeting HER2 — A Triumph of Science nej.md/4Bh4GaF
#ESMO26 | @myESMO

ALT Two panels showing progression-free survival, overall and according to subgroup analyses (intention-to-treat population). Panel A is a graph showing progression-free survival as assessed by blinded independent central review; data are presented as stratified hazard ratio and 95% confidence interval. Panel B is a forest plot showing blinded independent central review–assessed progression-free survival in prespecified subgroups; data are presented as unstratified hazard ratios and 95% confidence intervals.
細かいですけど、アンベニタマブ(KN026)は単純にトラスツズマブとペルツズマブを融合したわけではなく、
🔹トラスツズマブ重鎖
🔹ペルツズマブ重鎖
➕
✅トラスツズマブ軽鎖
てな感じで共通軽鎖にしてます!
そのためペルツズマブはオリジナルよりも10倍ぐらい結合親和性が低下してます
でも、おかげでHER2のドメインIIとIVに同時結合できるようになって良き良き🫰
あとはFc領域には、お決まりのknobs-into-holesでヘテロダイマー化してる感じですね〜
情報ソース👇
sciencedirect.com/science/ar…
あれ!ESMO2026で発表があったRIPTACのJNJ-6143って、去年ツイートしたHalda社の『HLD‑0915』のことじゃん😳
JNJ-6143は、アンドロゲン受容体 (AR)と生存に必須の転写因子BRD4との間に人工的な相互作用を形成させる
そうすることで、ARを高発現する前立腺癌細胞で選択的にBRD4の機能が阻害されて死滅する☠️
てか、去年の時点ではAR以外の標的は非公開だったけど、やはりBRD4だったのか🫢
ちなみにESMO2026での発表では、JNJ-6143は前治療歴の多い転移性去勢抵抗性前立腺癌に対して
🔹血中のPSA (前立腺特異抗原)が低下
🔹多くの患者で画像上でも腫瘍縮小を確認
🔹安全性も概ね管理可能
と、既存治療後の前立腺癌に対する有望な初期データがフェーズ1で得られているみたいですね👏
これはフェーズ2以降の結果にも期待したいですね(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク
#ESMO26
そもそもRIPTACとPROTACの違いって何??
って方はコチラをどぞ💁♂️
drug hunterさんでRIPTACs™ (regulated induced proximity targeting chimeras)が取り上げられていたので、RIPTACについて解説しますね💁♂️
名前の通りPROTACに似ていますが、作用機序が異なるので両者の相違点をまとめてみました👇
★共通点
・いずれも二官能性分子(バイスペシフィック)
・誘導近接で三者複合体を形成させることで新たな薬理活性を発現
★相違点
-作用機序
・PROTAC:標的タンパク質(POI)をユビキチン化して分解させる
・RIPTAC:腫瘍特異的タンパク質(TP)と生存に必須タンパク質(EP)を架橋し、EPの機能を失活(分解させない)
-標的の選択性
・PROTAC:POIの発現やE3リガーゼの発現に依存(やや限定的)
・RIPTAC:TPを利用するため、がん細胞選択性が高い
-分子の再利用性
・PROTAC:触媒的に何度も作用
・RIPTAC:触媒的には作用しない
ここまで見ると分子糊(molecular glue)に似ていることが分かると思います!🙌
というか作用機序は2種類のタンパク質を近接させて機能阻害するという点では同じですが、
・分子糊はモノスペシフィックで分子量が小さいが、どのタンパク質同士を結合させるかを意図して作るのが難しい(技術的ハードルが高い)
・RIPTACは分子量は大きくなりますが、どのタンパク質を近接させるかは任意なので技術的ハードルは下がるイメージですね!
(図の出典: Halda Therapeutics社)
いろんな人がESMO26の発表内容をツイートしてくれてるけど、もう追いきれなくなってきたなぁ(´・ω・`)
さすがに全く知らない開発品は少ないけど、細かく見るの疲れたから誰かまとめてくれー(他力本願)🥺
がん細胞で多く作られる一酸化炭素を「材料」に、アルブミンを利用してがん細胞の中で抗がん剤を作らせる研究ね👀
この手の研究といえば、理研の田中先生が有名ですね〜
一酸化炭素はがん細胞で増えることが知られているものの、反応しにくいうえに抗がん剤の合成に必要なパラジウムは細胞内のグルタチオンによってすぐに働けなくなるのが課題😢
そこでこの論文では、パラジウム錯体をアルブミンの疎水性ポケットに収納することで、
✅パラジウムをグルタチオンから保護
✅アルブミンと一緒に細胞内へ取り込ませる
✅がん細胞内の一酸化炭素を使って薬をその場で合成
という仕組みを開発👏
実際に正常細胞よりもがん細胞で反応が起こりやすく、抗がん作用を持つオキシニチジン誘導体を細胞内で合成して、がん細胞の増殖を抑えられることを示していますね
「がんに薬を届ける」のではなく、「がん特有の代謝物を材料にして、がん細胞の中で薬を作る」という発想が面白い!💡
一方で、がん細胞と正常細胞との毒性の差はまだ3倍程度で治療効果の検証も培養細胞が中心なので、
今後は腫瘍への集積性を高めつつ、生体内でも十分な薬効と安全性を両立できるかが重要になりそう🐀🤔
がん細胞内の一酸化炭素を「原料」に 細胞の中で抗がん候補化合物を合成する新戦略🧪🎯💊
Ambara R. Pradipta、田中 克典 氏らの@NatureComms #OA #論文
Harnessing endogenous carbon monoxide for cancer-selective drug synthesis
DOI: 10.1038/s41467-026-77616-8
#オープンアクセス
え、なにコレ!?すご😳
H&E染色の画像をAIに読み込ませたら、それだけで遺伝子パネル検査の代わりになるの!?
コレどうなんすかね、教えてエロい病理医の先生🥺
ツチノコ的ESMOレビュー③
やばああぁぁあぁあいいい!!
個人的には今年Top3で結構ビビった。
病理の画像をAIに見せたら、がんの遺伝子の特徴まで予測できる!?
何を言っているんだ??
という感じですが、、
今回の研究は、普段の病理診断で使う
「H&E染色」
の画像をAIに読み込ませて、
肺がんの治療選択に関係するバイオマーカーを予測するというものです。
遺伝子を直接読んでいるわけではなく、
「細胞の形や並び方などの画像情報から、その背景にある分子の特徴を推測する」
という発想ですね。
私は手術で大腸がんのMSI-Hを当てる外科医を知ってますが、やっぱ見えんのか??
遺伝子って見えるんか??
今回、Tempus社が公表した解析規模は、進行非小細胞肺がんの約5万7千人、約6万件。
評価した12種類のバイオマーカーすべてで
感度80%超。
複数では90%超
だったとしています。
これ、進歩したらやばくない??
今後下手したらNGSや抗体試薬メーカーも全部吹っ飛ぶし
病理医の仕事もかなり脅かしそう。
現時点で確認できた企業発表には、
12種類の具体名や特異度、検証方法の詳細までは載っていませんけど
なので、
「もう遺伝子パネル検査はいらない!」
という話ではないです。
今回の位置づけは、あくまで追加の分子検査や免疫染色につなげるための補助。
それでも、、
いつもの病理画像から、次に必要な検査の手がかりが得られる。
限られた検体をどう使うか。 必要な検査にどう早くつなげるか。
このあたりに役立つなら、臨床的な価値はありますけど、、
病理画像を見るAIが、がんの分子の特徴まで推測する時代。
ツチノコ的には、こういう研究がかなり好きです。
これテンパスの株を買っておくのが良いのか??
発表は10月25日やね。
えぐーー。
※ESMO 2026・320P investors.tempus.com/node/10…
EVウイルス由来の膜タンパク質『LMP1』を腫瘍細胞に導入するとT細胞に攻撃されやすくなるメカニズムを応用した治療法とかめっちゃ面白いやん!🤩
あ、もちろんLMP1ペプチドがMHCに提示されてとかいうオチじゃないですよ🤣
LMP1が腫瘍細胞でのMHC-I、CD80発現を大きく上昇させて、それを認識してCD8陽性T細胞が攻撃するって流れですね
で、そのメカニズムを詳しく調べると
腫瘍細胞の転写因子である
✅Spi-B → CD80発現を誘導
✅IRF1 → MHC-I発現を誘導
していることを発見🎊そうなると次は
「あれ、MHC-Iは何を提示してるん?」
ってなりますよね🤔
そこは腫瘍細胞も正常細胞も持つ
『内在性レトロウイルス由来ペプチド』
を提示して、CD8陽性T細胞がそれを目印に攻撃するわけです🥊
ちなみに、この内在性レトロウイルス由来遺伝子の一部はSpi-Bに発現誘導されます!
最終的にはSpi-B+IRF1を腫瘍細胞に導入って流れになるけど、個人的には一部の腫瘍に導入されただけで周りの導入されていない腫瘍も縮小するのは面白いですね👀
あとは、正常細胞にSpi-B+IRF1を導入してもT細胞に攻撃されるのか気になるし、もしそうなら腫瘍特異的な遺伝子導入法が必要ですかね🧬
【注目プレスリリース】隠れたがんを免疫に見つけさせる方法を発見 -EBウイルスの仕組みを応用した新たながん治療法の可能性- / 広島大学
research-er.jp/articles/view…
詳細気になる方はどぞ
cell.com/cell-reports/fullte…
すでに承認されている抗PD-1抗体と改変PD-1を発現させたCAR-T療法を組み合わせて強い薬効と副作用の軽減を両立させる戦略🎯
簡単に言えば、抗PD-1抗体を本来の❶に加えて、❷のトリガーとして使うことがこの論文のミソですね
❶免疫抑制解除
❷改変CAR-Tの活性化
というのは、腫瘍に発現するPD-L1を標的にしたCAR-Tは同じくPD-L1を発現する正常組織も攻撃してしまうからですね😢
そこでこの論文では、下記のような特徴の改変PD-1を搭載したCAR-Tを作っています↓
🔹K78A変異でPD-L1との結合が消失
🔹ニボルマブやペムブロリズマブなどの抗PD-1抗体との結合は保持
🔹PD-1 K78A細胞外ドメイン-CAR
これによって、
✅PD-L1陽性正常組織には結合せず
✅抗PD-1抗体を投与したときだけ細胞障害活性
を実現👏
でも、それじゃ全身で無差別にCAR-Tが活性化して副作用につながるんじゃない?ってなりますよね🤔
それに対して論文では、CAR-Tにメラノーマ抗原gp100を認識する腫瘍特異的T細胞受容体も同時に発現させることで腫瘍に集積させる戦略みたい
まぁ、この論文は動物実験の結果は無いので、どうやって腫瘍へ集積させるかや固形癌に効くのかなども含めた今後のコンセプト実証に期待したいところ🐀
UCB社といえばを乾癬などで使われる抗IL-17A/F抗体(ビメキズマブ)が有名ですが、このUCB6492はIL-17A選択的な阻害剤ですね👀
おそらくサイトカインと受容体の相互作用面を直接阻害するのではなく、IL-17Aに結合することで受容体に結合できない立体構造に変化させるメカニズムかな?🤔
抗IL-17A抗体がすでに承認されているのに阻害剤を作るメリットとしては…
・経口投与による利便性向上
・抗薬物抗体の回避
・より制御しやすい薬物動態(washoutしやすい)
・低分子としての組織移行性
あたりですかね💊
まぁ、まだ前臨床段階なので期待したいです🥺
UCB6492 Brings the Furazan Back to Oral IL-17A Inhibition | drughunters.com/4hMLnOP
UCB6492 is an IL-17A inhibitor in preclinical development for inflammatory diseases. Disclosed for the first time at the EFMC International Symposium on Medicinal Chemistry 2026, UCB6492 joins a growing wave of small molecule IL-17 inhibitors aiming to challenge the efficacy benchmark established by biologics such as secukinumab (Cosentyx®).
Check out our full coverage on UCB6492 to learn how the UCB team resolved discrepancies between in vitro and in vivo toxicity findings, optimized a fragment-derived series into a development candidate, leveraged a non-classical hydrogen bond donor, and revisited the potential liability of the furazan motif.
Read more on Drug Hunter: drughunters.com/4hMLnOP
UCB研究者の論文で、IL-17Aの立体構造を変化させて受容体への結合を低下させている事例です💊
pubs.rsc.org/sc/article/14/2…
『血液脳関門を越えて抗体を脳へ届ける新たな送達技術を開発』
…って言うから、てっきりトランスフェリン受容体(TfR)に結合する環状ペプチドかと思ったけど違うのか😳
もともと環状SLSペプチドはヒト脳微小血管内皮細胞を使ったファージディスプレイ法で見つけてきたけど、まだペプチドの標的は分かっていないのね〜
環状SLSペプチドを介した細胞内取り込みはビトロネクチンで阻害されることからインテグリンの関与が考えられているが、
RGDペプチドやフィブロネクチンでは阻害されないことから単純に特定のインテグリンに結合しているだけではなさそうね🤔
しかし環状SLSペプチドは7残基と、この手のBBB通過ペプチドの中では最小クラスだし、何かに融合させるツールとして良さそうね🥰
【注目プレスリリース】血液脳関門を越えて抗体を脳へ届ける新たな送達技術を開発 ― 環状SLSペプチド融合により抗体医薬の脳移行性を向上 ― / 熊本大学
research-er.jp/articles/view…
環状SLSペプチドをヒト脳微小血管内皮細胞を使ったファージディスプレイ法で見つけてきた論文です!
sciencedirect.com/science/ar…





























