上映後のシャーネレク監督登壇によるQ&A。観客を混乱させようという意図はないこと。シークエンスの飛躍については、必ずしも時間が連続している必要はないと考えていること。切り返しの編集をしないのは、それをやると時間が巻き戻ったような感じがして、流れが感じられなくなるからだという話が印象に残った。シークエンスの飛躍と切り返しを避けることについては、それぞれ時間の扱いについての異なる考え方のようにも思えて興味深い。
アンゲラ・シャーネレク『マルセイユ』@下高井戸シネマ。ベルリンからマルセイユにやってきた写真家のゾフィ。部屋交換という形で借りたアパートを拠点に、街を散策しながら夏のマルセイユを撮影してゆく…。前半は誰が何をする話なのかが非常にクリアで、シャーネレクも昔はこういう作風だったのかと思いきや、唐突に舞台は冬のベルリンへと移り、視点となる人物も舞台女優のハンナに切り替わる(ということは上映後の監督登壇トークで分かった)。ただでさえ映画の中の人物を見分けるのが苦手な自分には、なかなか混乱する展開だった。やはり簡単な映画ではなかった。昨日観た最新作『妻が泣く』は、前振りもなく新たな人物が出てきたりはするものの、物語、主題がタイトにまとまった作品だったのだなと。
アンゲラ・シャーネレク『妻が泣く』@シネスイッチ銀座。ある夫婦の倦怠期をこの監督らしいミニマリスティックな演出で描く。対話劇というか、心理をすべて言葉にしていく演劇のような趣もある。妻カーラと夫トーマス、それぞれの長台詞が、互いに知らなかった秘密の告白となっており、音声として画面の中に立ち上がるもう一つの物語のようでもある。その内容に含まれる明け透けでセクシャルな内容が生殖の主題(子供を持つこと/持たざること)に繋がっていくという感じだろうか。ソファで裸のまま眠るトーマスの性器とそれに触れるカーラの手のクローズアップが観客の想像に委ねる余地を残す。
基本的に画面外から音楽が流れることはないが、公園での楽隊の演奏や、レナード・コーエンの曲に合わせて皆で踊る場面など、ここぞというところで聴こえてくる音楽が良かった。シャーネレクはこれまで『ミュージック』しか観たことがなかったのだけど、やっぱり音楽が好きな人なのだろうか(だとしたら嬉しいんだけど)。何度か出てくるカーラが自転車に乗る場面も印象的だった。陳腐な言い方かもしれないけれど、これぞ映画的な躍動感といった感じで。#TIFFJP39
DAU凄かった。とにかくあまり深読みとかはせずに(というかしてる暇がない)目の前で推移するものをひたすら見つめていた感じ。扱っている時代はオッペンハイマーと大体同じ期間なのかな。これまでの版も見なきゃ。そしてシネスイッチ銀座はこれで見納め。最後がDAUってのがまたいいよなと思ったり。自分にとってシネスイッチはゴダール(さらば、愛の言葉よ(3D)、イメージの本、奇妙な戦争、去年のTIFFで観たF・アラーニョ「ル・ラック」など)の印象が強いかな。ありがとうございました😊
東京国際映画祭2026、自分は今日が最終日。ここで朝から晩までの濃厚な三本立て。正直どえらいスケジュール組んじゃったかな…と不安もある(本当に体調すぐれなくなったなら途中で帰ることも視野に入れている)けど、シネスイッチ銀座で観るのもこれが本当の最後ということで、行ってきます。
#2026年10月映画ランキング
旧作
①ブリュッセル、60年代後半の少女のポートレート(シャンタル・アケルマン)
②彼方(シャンタル・アケルマン)
③審判(オーソン・ウェルズ)
④奇妙な旅(アラン・カヴァリエ)
⑤おなかすいた、寒い(シャンタル・アケルマン)
⑥テレーズ(アラン・カヴァリエ)
⑦放蕩息子の帰還(ユーセフ・シャヒーン)
⑧憎しみ(マチュー・カソヴィッツ)
⑨部屋(シャンタル・アケルマン)
⑩リベラ・メ(アラン・カヴァリエ)
#2026年10月映画ランキング
①もしもの愛
②NAZA ナザ
③DIGGER /ディガー
④ナギダイアリー
⑤オデュッセイア
⑥ディスクロージャー・デイ
⑦The Ozu Diaries/小津ダイアリー
⑧プーチンの愛国教室
⑨ヘイゼル85
31日に観た『夢見た冒険』は11月の方で
(最終評価がまだ揺らいでいる)


















