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本日、Untracked Ventures株式会社を設立しました。
「アントラックトベンチャーズ」と読みます。
「Untracked」は、まだ名前も付いていない、データにも現れていない領域という意味です。世の中で評価が定まってから投資するのではなく、その前の「まだ見えていない変化」を探しにいく。そんなVCをつくります。
これからファンド設立に向けて準備を進めていきます。まずは会社設立から一歩ずつ。
7/2-3はIVSに参加します。お会いした際は、ぜひ気軽に声をかけてください!
How China became rich. Its secret is its cities, not central planning.
Works in Progressの論考です。中国の成長を支えたのは、北京が有望な企業を選び上から経済を動かしたことではなく、地方政府が競い合いVCのように企業へ投資し産業を育てたことだという主張です。
代表例が合肥市。液晶パネルのBOEやEVのNIOに投資し、土地やインフラも提供して産業クラスターを作りました。NIOへの出資には一定の条件で年率8.5%複利を上乗せした買い戻し請求権も付いていました。
興味深いのは、その中国も昨年、政府系ファンドを単一案件や単年度の損益だけで評価しない方針を国として打ち出したことです。
日本で取り入れるなら、自治体に投資させること以上に、案件ごとの成否ではなくファンド全体・運用期間全体で評価する仕組みが重要になりそうです。
worksinprogress.news/p/how-c…
2015年にグリー本体から投資したファームノートが、農水省のアワードで農林水産大臣賞を受賞しました。
投資した当時、私はデータを貯めて改善を回し続ける基盤をつくる会社だと見ていました。牛の飼育記録を貯め、次に行動データを取り、データから打ち手を選ぶ。牛群管理クラウドはいま全国約2,000戸・約38万頭で使われています。
そのファームノートが、支援する側から牧場経営の当事者にもなっています。グループ会社が北海道で6つの牧場の経営を担い、自社製品を使って改善を重ねています。
今回評価されたのも、その牧場で繁殖・疾病・乳量・コスト・CO₂にわたって示した具体的な成果です。
プラットフォームを提供するだけでなく、自ら使い込み成功事例をつくる側へ。10年以上かけて事業の形が一段深くなっています。
prtimes.jp/main/html/rd/p/00…
AnthropicのS-1が公開されました。売上に対する計算資源の費用は1年で201%から55%に低下しましたが、費用の額は約4倍となっています。
Anthropicは計算資源の大半を12〜18カ月前に確保します。長期契約には最低購入額や使わなくても支払うtake-or-pay条項も含まれます。
最先端のモデルを作るAI企業はクラウドの顧客というより、計算資源の長期買い手になりつつあります。
SaaSは使った分だけクラウドに払います。一方こうしたAI企業は他社が作る設備を将来使うと先に約束して計算資源を押さえる。近いのはLNG(液化天然ガス)の長期契約です。
売り手は設備投資を回収するため長期の引き取りを求め、買い手は将来の需要を読んで先に約束する。
需要が供給を上回る間は、この約束が計算資源を確保する強みになります。需要が供給を下回れば、割高で使い切れない固定費に変わります。
sec.gov/Archives/edgar/data/…
「A great year to be A16Z. A rough year to be an emerging manager VC」— Jason Lemkin
米国でファンドを組成した新興VCは、2022年の927社から2026年は9月末までで211社に減りました。
一方、今年の米国VC調達額の88%は4号ファンド以降の運用会社に集中。a16zだけで2割を超えています。
背景にあるのがLPへの分配不足です。上場やM&Aが進まず資金が戻らないなか、LPは限られた資金を実績のある大手に寄せています。
実績の長さで比べれば、新しいファンドは大手に勝てません。
新しいファンドが示せるのは、大手がまだ見ていない領域で、先んじて有望なスタートアップを見つけられるかどうかです。
nitter.cf/jasonlk/status/2114393…
数字はPitchBook-NVCA Venture Monitor(Q3 2026)から。
pitchbook.com/news/reports/q…
2020年に投資したSceneの3D組立手順書を導入した新明工業では、これまで補足説明が必要だった外国籍の作業者が、追加の指示なしでも品質に問題なく組み立てられるようになったとのこと。
製造現場を外国籍の人材が支えるほど、手順書を口頭で補うやり方は回らなくなります。
言葉で補っていた部分を、3Dで見せる手順書が担い始めています。
kojomag.nikkan.co.jp/sekkei/…
2024年に投資したONEの「NewMatch」で、6〜8人で同じ体験をするイベント「Club」が4〜9月に597回、10月は1か月で500回規模になりました。
9月にはTinderも東京でイベント機能を始めましたが、企画・運営は外部の主催者です。NewMatchは自社で企画・運営します。
海外でも、チケット販売を支援するEventbriteは上場時を大きく下回る評価額で買収され、体験の企画にも関わるFeverは9月に2.5億ドルを調達しました。
月500回のイベントは、月500回の実験でもあります。自分たちで作るから、どんな体験なら人がつながるかのデータが溜まる。定量分析を強みにしてきたONEには、相性のいい形です。
prtimes.jp/main/html/rd/p/00…
OLTAのファクタリングが、JCBの中小企業向け資金管理ポータル「Cashmap」にAPIで組み込まれます。OLTAにとって組み込み型での提供は初めて。顧客接点はJCB、審査・買取・回収はOLTAが担います。
組み込み型金融は、決済と融資で経済性が大きく違います。
Bainによると2021年の米国で、組み込み型の消費者決済は1.7兆ドル、B2B融資は120億ドルと100分の1以下。一方、決済の取り分は取扱高の約0.75%。売上連動型の前払いでは、リスクを負う側が元本の6〜10%程度を受け取るのに対し、リスクを負わないプラットフォームは0.5〜2%です。
決済は量で稼ぎ、融資は率で稼ぐ。そして融資では、顧客接点を持つ側よりリスクを引き受ける側に大きな取り分が残ります。
prtimes.jp/main/html/rd/p/00…
数字はBainの組み込み型金融レポート(2022年9月)から。 bain.com/insights/embedded-f…
東京都が上場前から投資し、上場後も株を持つ「クロスオーバー投資」のファンドを組成します。都が50億円を出資し、運営事業者候補には大和企業投資を選定しました。
都が挙げる課題は小粒上場です。規模や流動性が機関投資家の投資基準に届かず、上場後の成長資金が入りにくい。
上場前はVC、上場後は運用会社。株主が上場の前後で分断されがちです。クロスオーバー投資なら上場前から事業を理解し、そのまま上場後も株主でいられます。
ただ難しいのはここです。上場後の市場が薄いから上場をまたぐ株主が必要なのに、その株主が入るには上場後に売買できる市場が必要です。
都のファンドは、この循環を公的資金で先に回す試みに見えます。
metro.tokyo.lg.jp/informatio…
国交省が4月、建築確認にBIMを使う「BIM図面審査」を始めました。2029年春にはBIMデータそのものを審査する構想です。狙いは建築の生産性向上です。
ただ利用は任意で、4月末までの確認済証交付は2件。BIM未導入企業の68.3%が「発注者から求められていない」と答えています。
普及を阻むのは、作る人と得する人のずれです。BIMを作る側がコストを負い、干渉チェックや積算などの便益は施工側や発注者に出ます。
ここを変えるのが技術です。「3階建ての事務所を作って」と対話するだけでBIMを生成するACIMUSが約6,500万円を調達。JR東日本グループとの実証では駅舎のBIMモデル作成時間を大幅に削減できる可能性を確認しています。
国は義務化ではなく審査インフラと補助金で普及を促しています。
BIM普及のボトルネックは、使い道より作るコスト。制度が入口を作り、技術が導入コストを下げる。強制しなくても使われる条件が揃い始めています。
prtimes.jp/main/html/rd/p/00…
BIM図面審査の制度資料・モデル事業の効果検証に関する国交省資料 mlit.go.jp/jutakukentiku/ken…
研究開発型スタートアップにとって大型設備や研究施設を自前で持つのは大きな負担です。
そこで東京都は大企業の研究設備をスタートアップに開放する事業を始めています。今年3月にはNECや帝人ファーマなど5社とスタートアップの間で14組がマッチング。卵殻から新素材をつくるネクスレジンはNECの設備を使って素材を検証します。
面白いのは大企業が出すものが資金や顧客ではなく「設備」であること。利用料は都が支援し、知財・契約・社内ルールへの対応は事務局が助言します。
大企業がすでに持つ研究設備をスタートアップの研究開発インフラに変える。新しい設備をつくるより、眠っている設備をつなぐ方が速い領域は多そうです。 nikkei.com/article/DGXZQOCC1…
第2期は12月3日まで募集中です。対象は都内に本社または拠点がある創業10年未満のスタートアップと、都内に本社がある中小企業。
設備を出すのは三桜工業・サンゲツ・東京ガス・ニコン・東日本高速道路の5社。大企業ごとにスタートアップ・中小企業を数社程度選ぶ予定です。10月29日にはこの5社のリバースピッチもあります。
facility-oi.metro.tokyo.lg.j…
2022年に投資したSolafuneの上地練さんが、東北大学の特任准教授(客員)に就任しました。東北大学と共創研究所を設け、衛星上でデータを解析して次の観測計画に反映する人工衛星の開発・打上げ・軌道上実証を目指します。
投資した当時のSolafuneは、他社の衛星データを解析する会社でした。今回は東北大学の衛星開発・運用の知見と設備を取り込み、衛星そのものをつくる側へ踏み出します。
東北大学の共創研究所は、企業が学内に拠点を持ち、大学の教員・知見・設備にアクセスできる制度です。
大学の研究成果をスタートアップに移すだけでなく、スタートアップが大学の中に入り、大学の知見と設備を事業に組み込む。逆向きの産学連携の事例。
tohoku.ac.jp/japanese/2026/1…
みずほFGが営業や事務などの非エンジニア社員をAI開発人材に転換します。研修はわずか3カ月。すでに5人がエンジニア職へ移り、11月から20人程度、まず100人規模へ広げます。
面白いのはスキルを学ばせてから行き先を考えるのではなく、配置転換という「出口」を先に決めていること。金融業務を知る人がそのまま作り手になります。
ただ、日経記事で一番重要なのは「給与体系は今後詰める」の一行だと思います。
IPA調査ではDX人材の評価基準を処遇まで連動させている企業は日本4.0%、米国43.5%。転換した人のスキルに社内で値段が付かなければ、社外で値段の付く人から出ていきます。
出口の設計は職務を作って半分。スキルに値段が付いて完成です。 nikkei.com/article/DGXZQOUB0…
政府が掲げたデジタル人材230万人の育成目標は、1年前倒しで達成しました。ただ次の論点がもう出ています。スキルや資格の習得からではなく、配置転換やプロジェクト参画といった「出口」から設計すべきという議論です。
IPA調査ではDX推進人材の評価基準がない企業は日本75.7%、米国10.0%。評価基準が処遇まで連動している企業は、日本4.0%に対して米国43.5%です。
学ぶ人を増やすフェーズは前に進みました。次は、身につけたスキルを証明し、仕事・配置・賃金につなげる市場です。
人材育成のボトルネックは、学ぶ機会から学んだ後の出口へ移っています。 digital.go.jp/councils/digit…
日経の見出しは「大学発スタートアップは前年度より1100社以上増加」。元になった経産省の調査で内訳を見ると、直近1年に設立されたのは424社。879社は前年までに設立されていた会社や設立年不明の会社で、今回新たに数えられたものです。
新設は前年度の357社から2割増。新たに数えられた会社は575社から5割増です。伸びているのは、起業よりも把握のほう。
政府の「スタートアップ育成5か年計画」は、創業の数だけでなく、創業した会社の成長にも着目するとしています。大学には「1大学につき50社起業し、1社はエグジットを目指そう」という運動を掲げました。
この目標をKPIで追うなら数えた数ではなく、起業した数。その次はエグジットした数です。
nikkei.com/article/DGXZQOUC2…






